○まえがき
この記事をお開きいただきまして、ありがとうございます。すずり と申します。この記事は、ヒトモシ統一でポケモン統一杯に参加した筆者が、(柄にもなく)色々と考えたりしたことを書き連ねたものです。私個人のポケモン剣盾での活動の総括的な内容にもなります。緩く、流しつつ、是非ご一読くださいませ。
1.きっかけ
2022年10月15日(土)、この日は何の日だったでしょうか?そうですね、ヒトモシの日ですね。正確には「ポケモンGOにおけるコミュニティデイ:ヒトモシ の開催日」でした。
※ヒトモシの日というと、一般にはヒトモシ図鑑番号607からとった、6月7日が共通認識と思われます。
14時から各地でヒトモシが大量発生し、色違いの確率もとても高くなっている。まさに天国。これを超える天国がありましょうか。(いや、ない。)
ということで、実際に捕獲してきました。
捕獲は主に芹ヶ谷公園にて。町田市の、ポケふたがたくさんある公園です。写真もたくさん撮りました。
運がいい時は、色違いが立て続けに出てくれました。
個体値オールMAXも確保。
色違いは総数33体出ました。ここからポケモンHOMEを経由し、ポケモン剣盾に色違いヒトモシを輸送できるわけです。
これだけたくさんの色違いヒトモシがいるなら、色違い種族統一パにしよう、となるのも当然の理ですね。
そして、同日21時より、仲間大会「ポケモン統一杯」が開催予定でした。ポケモンSV発売も残り1ヶ月という今、剣盾での種族統一の仲間大会はこれが最後かもしれないこの大会に、ヒトモシでの参加を決定しました。
2.進化前種族統一を組むということ
ひとまずヒトモシ統一を組むことは決めた、、、ものの、どう構築したものか。筆者の種族統一の経験としては、シャンデラを初めとしたゴーストタイプのポケモンはもちろん、他のタイプのポケモンもいくつかパーティ育成したことはそれなりにある。そしてもちろん、進化前のポケモンも同様だ。
進化前のポケモンの種族統一を組む上で課題となることは把握している。主には、数値をが足りないことと、技が少ないこと。総合してしまえば、できることが少ないのである。限られた戦術から1、2を絞り出し、通れば勝てる、そういうパターンになりやすい。そして、こういった戦術は総じて「様子見に弱い」のだ。
これはどういうことか。進化前ポケモンの火力は低いので、積みによる増強をしたい。だが、耐久も足りないため、無起点で積めば相手の攻撃で落とされて終わり。ならば、壁、鬼火、電磁波といった、補助技を絡めて起点を作るのが初手の基本である。
これを把握している種族統一プレイヤーは、「みがわり」や「ちょうはつ」で、こちらの起点作成を阻害する。その瞬間、起点作成役の個体は役割を失い、後ろに控える積みエース達は起点を失い本領発揮できなくなる。この時点で形勢はほぼ決するのだ。
この大きすぎる壁は、当然ヒトモシの前にも立ちはだかることになる。ひとまず、数値と技を見てみよう。
3.ヒトモシ統一を通して見る、進化前統一のジレンマ
HBDは当然ぺらぺら、、、と思いきや、H50BD55と、思ったよりはある。ダイマックスすれば、ドラパルトのゴーストダイブくらいは耐えられるようだ。火力のほうは、A30C65。最終進化がC145のシャンデラの進化前なだけあり、Cはそれなりにはある。シャンデラのA種族値よりも10も高い。Sは20。ヒトモシはトリックルームを覚えるので、ここは問題にはならない。むしろ、低くて助かるくらいだ。
技を見てみる。攻撃技も見てみると、特殊はかなり豊富だ。炎は最大火力がオーバーヒートと申し分ない。草もエナジーボールがあり、サイコキネシスで範囲も広がる。残念ながらはかいこうせんは覚えず。
補助技を見てみると、トリルの他には、おにび、あやしいひかりの状態異常系、のろい、おきみやげの退場系、とける、めいそう、ちいさくなるの積み系と、シャンデラと同レベルに豊富。何より、回避のワンチャンスが作れることがとても大きい。おきみやげなどで積む隙さえ作れれば、無限の勝ち筋を生み出せるのだ。希望の光が見えてきた。
起点作成▶︎積み▶︎ダイマ の流れを作れれば、どうにか相手を崩すことも叶うかもしれない。
しかし、今一度、先述した進化前統一の課題を思い出していただきたい。これらの戦術は、「様子見」によって瓦解するのだ。ヒトモシの特性に「すりぬけ」があるため、「みがわり」は問題にならないが、「ちょうはつ」をされれば致命傷である。対策として、メンタルハーブを持たせる手があるが、相手が攻撃してきた場合はワンパンで散るのみだ。初手から「ちょうはつ読みハーブ」「攻撃読みタスキ」の2択で選出しなければならないのは、流石にギャンブルが過ぎる。できる限り、読みや運の要素は削りたい。
進化前統一相手には、初手の様子見が安定。この常識がある限り、起点構築を通すことはなかなか叶わない。だが、そこをメタると、攻撃技が来た場合にしんどい。ジレンマを抜け出せなくなるのだ。
これを脱する手段がヒトモシにはある。ヒトモシだからこそ、といってもいい。
2択を迫られるのなら、その2択を破壊すればいいのだ。
これが私の答え。
「様子見」と「攻撃」の2択を迫られて苦しいのなら、どちらもぶっ壊せる選択をすればいい。
「ちょうはつ」ならこちらが無償で1回分の行動を得られる。「攻撃」でも、先述のギリギリの耐久数値のおかげで、最低限の打撃を与えられる。どちらにも対応可能だ。そして、大半のポケモンが苦しめられる「みがわり」をされたとしても、「すりぬけ」ヒトモシなら問題ない。むしろ、相手のHPが削れるだけの、ボーナス行動である。課題となる相手の行動に広く対応出来るのが、「初手ダイマ」であると考えた。
相手が「様子見」する場合のリターンが最も大きいのが、この戦術の好きなところだ。これによって相手の初手の偵察役を処理、2体目にダイマを切らせるまですれば、完璧である。あとは、裏に控えるタスキトリル+積みエースをけしかけるのみだ。相手のダイマを消費させられているならば、ちいさくなるも十全に機能し、一石二鳥である。
あくまでこれは理想のパターンの話。ダイマしても倒しきれず削られる、2体目にダイマを切られない、ちいさくなるしたものの1回技を当てられて撃沈、、、どれもいくらでも有り得ることだ。それでも、具体的な勝ち筋を1つ、ようやく作れたと考えれば、それで十分。何せ、進化前なのだから。
進化前種族統一の常識を覆す一手。トリックルームによる反逆の狼煙。進化後ポケモンへの下克上。このヒトモシ統一で、ポケモン統一杯に殴り込んだ。
4.構築詳細
○メイン軸 初手ダイマ▶︎タスキトリル▶︎積み
①ヒトモシ@いのちのたま 特性:すりぬけ
ひかえめHCぶっぱ
オーバーヒート
最大打点のみで固めた構成。初手の奇襲で破壊する。
のんきHBぶっぱ
おきみやげ
のろい
こらえる
トリル起動、相手のダイマターン枯らしを目的とした型。基本想定は、相手のダイマ2ターン目に死に出しし、トリルからのおきみやげで裏の積み型につなぐ形。余った枠には、ダイウォールでのトリルターン稼ぎ対策ののろい、ダイマターン稼ぎ用のこらえるを入れた。相手がステロ持ちでタスキが潰れた場合の耐久確保や、ロックブラストを可能な限り耐えることを目的に、HBぶっぱ。
ずぶといHBぶっぱ
みがわり
ちいさくなる
めいそう
ちいさくなるヒトモシ。トリル展開から先制でちいさくなるを積み、無限の勝ち筋を作り出す。攻撃技は火力とPPを考慮してかえんほうしゃ。積み技は火力と耐久を両立できるめいそうにした。とけるも入れたいが、状態異常対策のみがわりは外せなかった。
○サブ軸
相手が「ちょうはつ」を覚えないポケモンの場合は、初手からタスキ起点作成が可能であると想定される。また、相手が「ステルスロック」を覚えるポケモンの場合、後発にタスキ型を置くと役割を失うため、この場合も初手にタスキ型を置きたい。これらのパターンでは、
タスキトリル▶︎積みエース
の流れになる。ただし、エースが倒れた際に、メイン軸の、「後発タスキトリル」のような、確実なカバー手段が存在しない。そのため、積みエースをダイマ枠とせず、ラストに珠ダイマ役を置く、積みエースがダイマで暴れたあと、相手のダイウォール読みで裏に引き、こらえるイバンで再度起点を作る、などを盛り込むこととした。
ひかえめHCベース
めいそう
ちいさくなる
サブ軸で採用する積み型。メイン軸のちいさくなる前提の型とは異なり、ダイマを切って押しに行く場合があるため、火力をメインに振っている。ラスイチ展開もできるよう、ちいさくなるも採用。
ひかえめHDベース
オーバーヒート
対特殊意識の調整を施した型。ダイマをすれば、不一致抜群のダイマ技を耐えられる想定。ダイマのタイマンで勝つことだけに意識を向けた型であり、ラスイチ以外では出さない想定。
ずぶといHBベース
こらえる
おきみやげ
あやしいひかり
相手がトリル枯らしのダイウォールをするのに合わせて交代で出し、相手のダイマを枯らして起点を作る役。かなり無理があるが、通ればワンチャンス作れると思い投入。基本はこらえるおきみやげしかしないので、他2つの技は撃てたらいいな程度に。
上記の6体で構築を完成とし、いざ育成へ。ポケモンGOからポケモンHOMEを経由して5体の色違いヒトモシを輸送し、残り1体は孵化役の子を採用。けいけんアメとふしぎなアメを総動員、前日になんとか用意した特性パッチ4つを投与。ぎんのおうかんを20個ほど使用。実質野生産のポケモン5体を100レベにしての育成なので、消費がえぐい。
日中にほぼフルタイムで参加していたポケモンGOの疲れも相まって、準備が完了したのは21時30分。仲間大会開始時刻から30分も経過していた。
どうにかパーティ完成。即大会へ突入した。
5.実際の対戦風景
勝敗は以下の通り。
1戦目 ドラパルト統一
サブ軸選出。おきみやげが通らないため、積み型が瞑想を積めず、積みエースが押し切れず敗北。
2戦目 ヤドラン統一(原種3 ガラル3)
メイン軸選出。初手ダイマミラーで負けるが、トリルちいさくなる展開は成功。だが、あくびを入れられた後に攻撃を受け、敗北。
3戦目 アマージョ統一
メイン軸選出。初手ダイマが相手の初手どくどくに刺さり、そのまま相手の2体目ダイマまで撃破。その後トリル展開で押し切り初勝利。
4戦目 オノノクス統一
メイン軸選出。初手ダイマで相手のちょうはつを透かすことに成功。
だが、タスキ持ちだったため、ダイマターンを稼がれた上に、1回がんせきふうじを被弾。相手の後続にダイマなしで処理され、相手のダイマを抑えられず敗北。
5戦目 ペロリーム統一
メイン軸選出。初手ダイマに対してあくび▶︎タスキ持ちへバックされ、ダイマ2ターン目終了後に眠る。その後相手は3体目に交代してダイマ、ダイストリームで寝ていたヒトモシが倒される。こちらはタスキトリルを展開。
のろいで退場するタイミングで相手の2体目の個体に交代され、のろいダメで双方倒れる。こちらはラスト、相手は初手のあくび個体が登場。みがわりであくびを透かし、積みを進めたところで相手が降参。2勝目。
6戦目 ハクリュー統一
メイン軸選出。初手ダイマに対して相手はねむるで対応。眠り状態のままダイマしてきたが、だっぴが発動しなかったため、対面勝利。その後、トリルちいさくなる展開に成功したが、相手の竜舞スケイルショット+後続の流星群が2連続で命中し敗北。
7戦目 ワタシラガ統一
メイン軸選出。初手ダイマしたところ、相手のうたうを避けて無償突破。そのまま優勢を維持し勝利。3勝目。
8戦目 ドラパルト統一(1戦目と別の方)
1戦目の反省から、初手のゴーストダイブはないと割り切ってメイン軸の初手ダイマ。相手はでんじはから来たため、ダイホロウで突破。
相手の後続は竜舞を選択、こちらのダイホロウをタスキで耐えられた。次ターンは相手のゴーストダイブを読んでタスキ個体に交換、無償で着地に成功し、トリルを展開した。展開後はのろいで相討ちに。トリル3ターンで相手のダイマドラパルトを2体のヒトモシで倒しにかかった。珠シャドボ+積みなしシャドボ(輝石個体を選出していた)で相手は赤ゲージ耐え。惜敗。
9戦目 ヤドラン統一(2戦目と同じ方)
メイン軸だが、初手に弱保型を採用。初手にこちらが先制したため、火力が足りずダイホロウを耐えられる。相手はトリル▶︎あくび展開。眠った後を積みの起点にされ、敗北。
10戦目 ダグトリオ統一(原種3 アローラ3)
ステロ警戒でサブ軸選出。相手は初手いわなだれ、こちらはトリル展開。相手のタスキを警戒し、のろいで退場。後続の輝石個体で1体目を撃破。相手の後続のアローラダグトリオがダイマ、こちらは素のだいもんじを撃ったが外れた。そのまま押し切られて敗北。
11戦目 コバルオン統一
メイン軸選出。初手ダイマで相手のちょうはうを透かし、無償突破に成功。(コンセプト完遂の瞬間)
相手の後続の個体がダイマックス、ダイロックを1回耐えて反撃で大きく削ることができた。その後こちらはトリルから積み展開に成功。4勝目となった。
12戦目 イオルブ統一
メイン軸選出。すりぬけダイバーンで相手の起点作成型を一撃処理したが、後続にミラーコートで反撃された。その後、相手の後続のダイマに貫通され敗北。
13戦目 ドクロッグ統一
メイン軸選出。相手の初手がどくどくだったため、初手ダイマ個体で大きくアドバンテージを得られた。結果的に相手の2体目まで倒した後に、毒ダメで削られて退場。相手の3体目のダイマに対し、こちらはタスキトリル▶︎こらえる▶︎おきみやげでいなし、積み型を着地させた。ちいさくなるを積むが、じしんを3回連続で当てられて敗北。
14戦目 ライチュウ統一
メイン軸選出。初手ダイマをうたうでいなされ、後続のなみのり持ちに押し切られて敗北。
15戦目 コバルオン統一(11戦目と同じ方)
1回目に当たった際に初手ダイマしたため、型をずらして初手トリルのサブ軸を運用。相手は初手ダイマだったため、トリル▶︎おきみやげでダイマをいなせた。その後、こちらもダイマで攻勢、2体倒し、3体目をタスキまで削る。その後、イバン型に交代し、こらえるイバンでサポートを狙うが、こらえるのタイミングでストーンエッジを躱したことで、サポートできないまま倒される。ところが、相手のストーンエッジのPPが切れたため、相手からの有効打がなくなり、勝利。
総合戦績 5勝10敗 レート1430
6.反省
勝利できた相手は アマージョ ペロリーム ワタシラガ コバルオン 統一という面々で、いずれもタイプ有利な相手だった。それでも、進化あとのポケモン、まして、準伝説と呼ばれるポケモン相手に勝てたことは、十分な成果であったと感じている。その勝利が、実際に、「相手の初手様子見行動を狩る」ことによってもたらされたことが、何よりも嬉しかった。一大目標であった、「ちょうはつの隙を突いてアドをとる」ことを実現できたことで、この考察が有意義なものになったと実感できた。
敗北した試合の中にも、回避の運によってはワンチャンス勝てた可能性のあった試合も少なからずあった。明確な勝ち筋を追える構築を作れたのはよかったと思う。
一方で、私自身の知識の欠如(あくび必中、イオルブのミラーコート)、失念(クリアボディを忘れておきみやげ展開狙い)、運の無さ(技外し、回避)によって負けた試合があったことも否めない。ここが主な反省点である。
また、ヒトモシの型について、イバン型については適切でなかったと思う。エースが削られてしまっていると、イバンおきみやげもあまり意味がなく、加えて読み行動が必須となるため、安定して出せる場面がなかったように思える。8戦目のドラパルト統一との対戦後に、トリル下で、ダイマなしで瞬間火力を出せる必要があると感じたので、交代メガネ型を入れてみることを計画している。相互に一致弱点を突ける相手には、的確な一手となると思われる。
7.おわりに
ここまで長々と書き連ねた文章を読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。進化前のポケモンでもできることがそれぞれにあるということ、それを考える難しさ、楽しさ、実際に考察通りにうまくいったときの気持ちよさ、といったものを、感じていただけていたら、私は大変嬉しく思います。これを機に、進化前種族統一が増えたりしたら、面白くなるのではないかな、と思います。
種族統一ルールの対戦は、Twitterの #リピボ級 で今現在も観測できますので、ぜひご覧ください。火、木、土、日の21時~24時に対戦をしており、新規参加も大歓迎です。レンタルパーティも #リピボ級レンタル にて公開されていますので、ご活用ください。追々、ヒトモシ統一のレンタルパーティも公開予定ですので、ご利用いただければと思います。
剣盾最終盤の残り1ヶ月、そして、来たるポケモンSVにおいて、種族統一ルールが賑わうことを願います。
ここまでのご閲覧、誠にありがとうございました。
すずり