suzuri_ghostのブログ

シャンデラが相棒のゴースト統一の端くれです。

「変態」が輝く 創意工夫の種族統一 ポケットモンスター スカーレット/バイオレット・ソード/シールド

この記事は、種族統一アドベントカレンダー2022 11日目の記事となります。

 

 

 

冬の陽だまりがことのほか暖かく感じられる今日この頃、12月も中旬に入り、アドベントカレンダーも折り返しに近づいております。この度は、私すずりの記事をご閲覧くださり、誠にありがとうございます。

本稿のテーマは、種族統一と「変態」の関係についてとなります。種族統一とはなんぞや、それが「変態」とどう関係するのか、そもそも「変態」とは何なのか。

ぜひ、ご一読いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

以下、常体。

 

 

 

 

 

 

 

1 「変態」とは

ポケモン対戦において、「変態」という言葉が使われる場面は、基本的には、メジャーでない 型*1に遭遇した場合である。今現在、ポケモン対戦の中心地であるポケモンSVのランクバトルにて、頻繁に登場するポケモンで例えるならば、物理型サザンドラ、特殊型ミミッキュなんかは、「変態」と呼ばれることだろう。「ふつう」は使わない型、そんな型のポケモンは、俗に、「変態型」と呼ばれている。

変態型のポケモンは、広く汎用的に戦えるポケモンではなくなるのが大半だ。何かしらのポケモン数種を徹底的に対策したがために、基本的な型であれば勝てた相手に勝てなくなる、勝てる相手が大きく減る、というのが、変態型の共通点といえるだろう。例えば、物理型サザンドラであれば、もろはのずつきによって、本来苦手なウルガモスに有利を取ることができる。一方で、特殊型なら有利だった、物理受け型相手に不利になってしまう、こうげきの能力値はそこまで高くないため、様々な場面で火力不足に陥る、といった形だ。メリットに対するデメリットが大きく、そのため、そういった型のポケモンを使うトレーナーは少なく、したがって、「変態型」と呼ばれるのである。

それでも、一定数の変態型のポケモンが存在し、この言葉が意味を持って生きているのは、変態型を好む人々がいるからである。想定とずらした一手により相手を困惑させるのも、対戦における楽しみ方のひとつであろうし、そういった奇襲の優位性も存在するのは確かなことだろう。また、自分で考えた変態が相手に刺さるときの気持ちよさも、なかなかに代えがたいものである。

 

 

 

 

2 種族統一とは

「変態」と種族統一がどう関係していくかの話の前に、まずは種族統一とは何なのかを簡潔に説明する。

種族統一とは、戦うポケモンを1種類に統一することを指す。すなわち、パーティに入るポケモンは、すべて同じポケモンでなければならない。具体的には、通常のランクバトルのパーティの例として、ミミッキュドラパルトロトムキョジオーンサザンドラサーフゴー、というパーティがあるとしたら、種族統一のパーティは、ミミッキュミミッキュミミッキュミミッキュミミッキュミミッキュ、といった具合だ。

私がよく種族統一で対戦をさせていただいている、「リピボ級*2」での対戦では、持ち物重複不可、選出は3体とする、などのルールで行われている。*3

リピボ級のルール

実際の種族統一の対戦における、選出画面。リピボ級では、パーティは3体以上いればok。

私は、種族統一での対戦は、ポケモン剣盾から始めた者であり、その対戦の大半を、リピボ級およびその前身にて経験してきている。そのため、種族統一の対戦について記していくこの記事は、以上のリピボ級ルールを前提としたものとなることをご理解いただきたい。

 

 

 

 

3 「変態」が輝く場 種族統一

本題に入る。先ほど説明した、「変態」が、種族統一で輝く、というのは、どういうことなのか。それは、種族統一という対戦ルールの体質に関係している。

先述の通り、種族統一の対戦において、用意するポケモンは1種類のみである。しかし、その型については、6体のポケモンすべて、ルールの範囲内で如何様にしてもよい。留意点といえば、レベルが自動的に50に統一されることと、持ち物重複不可程度のものである。

ミミッキュの種族統一を作るとしよう。最もメジャーで、確実に強力といえる、いのちのたまつるぎのまい物理型ミミッキュは第一に入ってくる。アタッカーを多めに用意するなら、火力アイテムをのろいのおふだなどで妥協して、同等の型を用意すれば、攻撃面で困ることはないか。なんなら、通常の対戦で強力な、そういうミミッキュを持ち物を変えてたくさん用意してはい完成、でよいのではなかろうか?

 

 

それで勝てる試合も多くあることだろう。実際、ランクバトルで強力な型は、種族統一の対戦においても強力だ。しかし、種族統一は、それで終わりではない。

 

 

物理の積み型一辺倒では、防御の高い相手には勝てないのではないか?かたやぶりでばけのかわを貫通して弱点を突いてこられたら?やけどを入れられて耐久されてしまったら?

 

 

通常の対戦であれば、周りの別の種族のポケモンでカバーすればよい。しかし、ここは種族統一の対戦。ミミッキュを選んだのなら、相手に何が来ようと、全てミミッキュで対応せねばならない。相手がキョジオーンでも、デカヌチャンでも、ラウドボーンでも、だ。

 

 

あらゆる可能性への対処を、同一種族のポケモンのみで考察する。それが種族統一の対戦における最たる特徴であり、私の思う醍醐味である。そして、変態はここで輝きを魅せる。

 

 

物理要塞対策に特殊型を入れてみよう。ミミッキュを見て物理耐久型のポケモンがくるなら、ミミッキュのとくこうが低くとも、想定外の一撃を与えられるかもしれない。少なくとも、物理型だけでは勝てない種族相手への突破口になりえる。

どこかで使ったのろいいたみわけ型も流用できるのではないか。回復技を利用した耐久型相手には刺さるはずだ。最悪、素早さで勝っていれば、でんじはと絡めて無限の勝ち筋を作れる。圧倒的に強くはなくても、物理型とは異なる範囲での汎用的な型になりえる。

ここまでできついのは何だろう。素早さで勝てない相手には不安が残るだろうか?ならば、トリックルームを絡めるか、こだわりスカーフでの奇襲をするか?スカーフ型なら、トリックを使った型を育てたことがあったし、それを引っ張り出して来ようか、、、

 

 

相手に何が来るかわからない、環境ポケモンなどいないのだから。相手はドラパルトとも、ロトムとも、サーフゴーとも限らない。であれば、相手に広く対応できるよう、こちらも広く構えるしかない。何が来ようとも、勝てる可能性を最大限に広げるために。そこに手を貸してくれるのが、なかなか活躍できず、ボックスに眠ってしまうこともあるが、それでも意義を持って育てられた、「変態型」のポケモンだ。かつて作った歪めた型のポケモンが、思考の一助となってくれることだろう。

当然ながら、種族統一のパーティは変態型の寄せ集めでは勝てるとは言えない。明確な勝ち筋を作れなければ、烏合の衆では太刀打ちできない。ゆえに、変態型を集めるだけで、種族統一のパーティは完成はしない。だが、パーティを作る上で、可能性の一つとなり、手を差し伸べてくれる存在となり、勝利のための一員となるのだ。たとえ結果的にパーティに入れないことになったとしても。

種族統一においては、元は「変態型」と呼ばれるような型のポケモンが、パーティにとって重要なキーとなることも少なくない。6体のメンバー全員が、別々の、欠かせない役割を持ち始める。そうなれば、もはや「変態」という呼称は必要のないものとなるだろう。

 

 

 

4 実際の種族統一における変態型(ポケモン剣盾)

実際の種族統一パーティのポケモンたちを見ていこう。

まず第一に、種族統一のパーティの参考資料として、大いに活用できるサイトを紹介させていただく。リピボ級レンタルDBである。このサイトでは、公開されている種族統一のレンタルパーティを閲覧することが可能だ。ゲーム内でレンタルパーティのコードを入力すれば、実際にレンタルして使用することも可能である。ポケモン剣盾のみならず、ポケモンSVのレンタルパーティも続々と共有されてきている。

様々なプレイヤーの、創意工夫の跡が見られる。今回は引用を控えたが、ぜひとも目を通していただきたい。

repeatballtierdb.web.app

こちらのサイトで公開されているパーティを参考にこの項を解説することも考えたが、パーティの作成者でもない私めが横から口を出すのもおこがましいため、今回は私の作成したパーティで解説を行う。一個人の自論となることをお許しいただきたい。

 

それでは、実際に私が種族統一パーティを組んだ際に育成したポケモンたちを見ていただく。流石にポケモンSVではまだサーフゴー統一しか組めておらず、サンプル不足であるため、ポケモン剣盾における、私の種族統一のパーティを用いて紹介させていただく。また、今回のテーマを踏まえ、基本的には通常の対戦では採用されないような型、すなわち一般には「変態型」と呼ばれるであろう型に注目して紹介する。

本章で紹介するポケモンを含んだ種族統一のパーティは、本章の末尾にまとめて掲載する。

 

 

・低いステータスを伸ばす型

 

私の作成した種族統一パーティから、ラフレシア統一、ヨノワール統一を抜粋する。

ラフレシアは攻撃よりも特攻が優れているポケモンだが、攻撃のステータスも極端に低いわけではない。また、つるぎのまいを覚えるため、元のステータスが低くとも、物理打点を活かしやすいポケモンといえる。その他にも、物理型ラフレシアの利点は、先制技のグラススライダー、特殊では持ちえない格闘打点のドレインパンチ、といった技があり、これらによって、戦術の幅が広がるのは言うまでもないことだ。

 

つるぎのまい型のラフレシア。継戦能力を重視し、技範囲を絞って回復技を入れた。種族統一の対戦は、相手が1種族のみなので、積み型ならば、技範囲を狭くしても十分機能する。



 

続いて、ヨノワールについて。こちらはラフレシアとは逆に、攻撃が特攻より高い。特攻はかなり低く、ただ技範囲を広げるだけの目的で採用するには心許ない。だが、ヨノワール持ち前の耐久力、トリックルームやおにびといったそれをサポートする補助技、そして、特殊方面の積み技:めいそうを覚えられる。これらの要素から、特殊積みエースとしての起用は十分に考えられる。ヨノワールは、実は、自分の攻撃を上げる技を覚えない。そのため、物理一本では、火力不足になるのは日常茶飯事であった。しかし、めいそう型であれば、その不安の解消にもなるし、物理技を対策してくる相手の不意を突くこともできるのだ。

 

トリックルームを展開し、先手でめいそうを積む型。この個体は火力を重視し、いのちのたまを持たせたが、耐久に寄せた、めいそうねむるカゴのみ型もパーティに入れている。

 

 

 

ノワールについて、加えて、すばやさの点でも触れておきたい。

 

 

素早さを少しあげたヨノワール。素早さを上げていないバンギラスを抜かすことが可能。
じならしで相手の素早さを下げれば、素早さに振り切ったラグラージまで抜かせる。
鈍足ポケモンミラーの対戦のときに重宝した。

いかに素早さのステータスが低いポケモンでも、素早さ調整は重要であることをはっきりと示しておく。何度も書いている通り、種族統一は多様なポケモンが現れる場である。鈍足のポケモン同士が対面することも多いのだ。よって、たとえ元の素早さのステータスが極端に低かろうと、素早さを上げた型を必要とすることは大いにあるのである(必ずしもパーティの全員がそうあるべき、というわけではない)。それほどに、相手より先に行動することのメリットは大きい。

上記の画像のヨノワールであれば、先手でちょうはつを撃つことで、相手からの補助技をシャットアウトできる、という利点がある。根本の火力が不足しがちなヨノワールにとって、補助技は肝要であり、相手にちょうはつされる前にちょうはつを撃てることは、大きなメリットたり得るのだ。

 

 

 

・想定外の積み型

前項でもかなり触れたが、平時では採用されない積み技も、種族統一であれば輝く場面は多くある。シャンデラ、メレシー統一から抜粋する。

 

シャンデラ統一について、まず、ちいさくなるについては触れておきたい。回避率の上昇により、全て躱して勝つ、という、遍く相手に対しての可能性を持つ。相手が何かわからない以上、何に対しても有効な型、というのは便利だ。ただし、ポケモン剣盾においては、ダイマックス技が必中だったため、率先して採用できる型ではなかった。

ここで私が触れるのは、とける、という技についてである。

積み技にとけるのみを入れた型。持ち物はじゃくてんほけんで、HCに特化している。

とけるの技の効果は、防御2段階上昇。普通のシャンデラではまず見ない技である。このシャンデラは、弱点を突いてくる相手に特効の、カウンターアタックシャンデラとなっている。もしも弱点を突かれれば、持ち物のじゃくてんほけんが発動、火力の補強も完璧だ。

起点作成型のシャンデラから、トリックルーム、おきみやげなどでつないで場に出す。そこからとけるを積むことで、苦手とする岩、地面の物理打点持ちをエサにする型だ。通常の対戦ならば、相手を選びすぎていて、扱うのは厳しい。しかし、種族統一であれば、通常のシャンデラの型では対処がしがたい相手を狙った、多少はピンポイントな型にしてもよいのだ。その方が、結果としては、対応できる相手が増えるのである。

とける弱保のコンボによって、苦手タイプ相手での劣勢を何度もひっくり返してくれた、私のポケモン剣盾における自慢の型である。

 

 

 

メレシー統一について。火力が低く、素早さも低いメレシーだが、それでも積み技での解消法は実は結構ある。

まず、剣盾で物理耐久ポケモンが多く使う、てっぺきボディプレス型。これについては、耐久の高い印象があるであろうメレシーおいては、メジャー寄りの型となるだろう。それも大きな戦力だし、火力要員としても強力だが、触れたいのはこれではない。

触れるのはこちら。物理ロックカットメレシーである。

ようき最速メレシー。素早さ倍化はかなり刺さりやすい。

メレシーの素早さ操作でまず想起されるのは、トリックルームだろう。自爆退場、ステルスロックまであるからなおさらだ。それを見越してか、メレシー相手にスカーフ型や素早さ積み型というのはまず来ない。それを逆手に取った、ロックカット型である。前述のことから、一度積めばこちらがずっと素早さで優位に立つことができる。

技構成は、剣盾のダイマックスを前提としたものとなっている。ダイロック・ダイアース・ダイスチルすべてがメレシーの耐久上昇を助けてくれる。そのため、持ち物:じゃくてんほけんとの相性も良い。ただし、火力がそれ頼りになるのは難点だ。

攻めの印象のないポケモンこそ、一転攻勢の型で突き進むのも、また一興だ。めいそうや、メテオビームを軸にした特殊型で組み込むのも強力だろう。

 

 

 

参考 サポート特化型

そのポケモンが攻撃性能に富んでいるか否かに関わらず、補助に徹した型を作る場合もままある。シャンデラであれば、前項のとける型へつなぐ、トリル即退場型、といった形だ。攻撃技を一切採用しないことさえあるが、通常のパーティにおける起点作成型を、種族統一で置き換えているものだと考えてもらえればよい。

起点作成ひとつをとっても、そのポケモンによる個性が現れる。壁や状態異常技を豊富に扱える種族。トリックルームでの最低限の補佐が限界な種族。壁技が物理特殊どちらか一方しかなく、そこをあまえるやかいでんぱなどのデバフ技でカバーする種族。形は違えど、各々の種族統一における、明確な勝ちパターンのひとつとして、パーティにひとりは抱えておきたい存在である。

 

 

 

 

 

まとめ

種族統一が「変態型」の活躍の場所になりうる、ということが、まず第一に伝わって入れば幸いである。そこに加えて、私の自論を1つ述べさせていただく。種族統一を通して、ある1種族のポケモンについて深く調べ、知り、考える、この過程が種族統一の楽しみの一つであるというのが私の考えだ。きっかけは何でもいい。そのポケモンが好きだから、相棒だから。誰かが使っているのを見ておもしろそうだったから。図鑑番号を適当に唱えたらそのポケモンだったから。出会い方は何でもいい、ある種族のポケモンに向き合い、どうやったら勝てるか、どう戦うのが面白いだろうか、そういった、自分だけの創意工夫を凝らす楽しさを、種族統一でも感じてみてはいかがだろうか。そこに新たな発見があることは間違いないだろう。

今回、私が種族統一ならではの型として述べたもののほかにも、種族統一パーティを組む人の数だけ、構築は存在する。種族統一の面白さはこの記事にとどまるはずもない。ぜひとも、私以外の種族統一アドベントカレンダー参加者の記事もご覧いただきたい。

adventar.org

 

 

皆様と、種族統一対戦という、自己顕示の場で相まみえることを楽しみにしている。

 

 

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

 

 

おまけ

具体例として使用した種族統一パーティたち

 



 

*1:ポケモンがどのように戦うかを述べる上での分類のこと。物理技を主体とするポケモンなら物理型、相手の攻撃を耐えて回復することを主体とするなら、耐久型、というように表現する。

*2:週4日で種族統一の対戦が催される対戦場。Twitterアカウント

リピートボール級bot (@Repeat_Ball_bot) / Twitter

が主催している。

*3:種族統一の対戦全てがこれに定められるわけではない。