本記事は、凸脇さん主催の
#種族統一アドベントカレンダー2024 Advent Calendar 2024
の9日目の記事です。企画詳細、これまでの記事が載っているリンクはこちら。
https://adventar.org/calendars/11141
9日目担当、すずりと申します。今回は、私がポケモンSVで使っていたシャンデラ統一についての概要を簡単に記します。
(諸事情により、記憶を頼りに記しています。上記画像のIDからこのパーティをレンタル可能ですが、本記事の記述と異なる点がある可能性をご容赦ください。)
この構築は、基本の3体+メタ要員3体という構造になっています。基本選出は「タスキ・チョッキ・スカーフ」のタイマン重視メンバーズ。こちらが相性有利な場合には、この3体を出すのが基本です。相性不利な相手には、メタ要員の中からそれに合う個体をピン刺しするなどしていきます。
特に読んでいただきたいのは、「メタ要員」。不利相性に勝つための工夫を見ていただければと思います。
個体詳細
①基本の3体
⑴タスキ対面型
持ち物:きあいのタスキ
性格:ひかえめ
特性:すりぬけ
努力値:CS252D4
テラスタイプ:ノーマル
役割は対面で勝つこと、あるいはトリルを起動すること。対面で勝つことに重きをおいたため、素早さには全振り。性格は火力重視の性格控えめ。ノマテラは対霊で行動回数を増やすのに用いる。
⑵チョッキエース型
持ち物:とつげきチョッキ
性格:おくびょう
特性:もらいび
努力値:C252 S1↑で最速ドラパ抜き 余り耐久
テラスタイプ:くさ
技:だいもんじ/シャドーボール/エナジーボール/ニトロチャージ
ニトロチャージで素早さをあげる全抜き型。チョッキで特殊耐久を補強する。テラスタイプは耐性・火力ともに優秀な草。もらいびとも相性が良い。基本的にテラスはこの子に切る。
⑶スカーフ掃討型
持ち物:こだわりスカーフ
性格:おくびょう
特性:すりぬけ
努力値:CS252D4
テラスタイプ:ゴースト
スカーフで素早さを補強した型。基本的に3体目に出す。初手の奇襲にも利用できはするが、スカーフバレした際に起点になりやすく、切り返しをタスキトリルに依存しているため、そういった運用はあまりしない。相手が耐久・積みが得意と見えた相手には初手トリックを仕掛ける。
②メタ要員
⑴起点作り破壊型
持ち物:おんみつマント
性格:ひかえめ
特性:すりぬけ
努力値:CS252B4
テラスタイプ:フェアリー
ニトロチャージ要員その2。ただし、その役割は大きく異なる。対象は相手の起点作成ポケモン。特に、「がんせきふうじ」「じならし」「ステルスロック」の使い手。つまり、「初手タスキ持ちのS操作+ステロ」へのカウンターとして初手で選出し、テラスを切ってニトチャを積む。おんみつマントの効果により、岩封などのS下降を無視して積むことが可能。そのまま次のターンに倒せば、ステロを防ぐことができる。
テラスタイプはフェアリー。悪・ドラゴン対策の役割も兼用している。また、はたきおとすに耐性がつくことで、悪タイプ相手に初手で出すのが安定する。対はたき使いの対処は難しく、特に素早さで劣っている相手では、それを覆そうとこだわりスカーフ型で対面しても、タスキなどで相手に1発耐えられた後にスカーフを叩かれ、素早さを逆転されて返り討ちに遭う、ということがよく起きていた。ニトチャ+フェアリーテラスであれば、その心配もなく確実に有利になれるのが、この型の利点のひとつでもある。
めいそうは技枠が余ったのでいれていた。
⑵ トリルエース両刀型
持ち物:いのちのたま
性格:ゆうかん
特性:すりぬけ
テラスタイプ:かくとう
技:フレアドライブ/ポルターガイスト/オーバーヒート/テラバースト
まさかの両刀型。剣盾で習得したポルターガイストと、SVで習得したフレアドライブを両採用した。どちらも技威力が高いため、A種族値55ながらもかなりの火力を出すことができる。主にハピナスを役割対象とするが、もちろん通常のトリルアタッカー運用も可能である。テラスは格闘。対悪・岩・ノーマルへの打点となる。また、オーバーヒートによるC2↓後のテラバーストが物理になるため、物理格闘テラバーストでハピラキを狩ることが可能になる。
もっとも、物理技が活きる場面は数える程しかなかったが、実際にハピナス統一に勝ったり、解放フーパを呪いダメージ込みでフレドラでワンパンしたりといった活躍は見せてくれた。素直にオバヒで殴っても順当に強いし、格闘テラバーストは想定されにくくて通りやすいため、トリル役として求められる役割を十全にこなしてくれた。
↑実戦での様子。呪いダメが1回入ったフーパをフレドラでワンパン。
⑶ ちいシャン
持ち物:たべのこし
性格:ずぶとい
特性:ほのおのからだ
努力値:HB252D4
テラスタイプ:悪
最終手段のちいさくなるシャンデラ、通称ちいシャン。基本的にはタスキシャンデラのトリル呪いから繋ぎ、ちいさくなるを積む。特筆すべき点はニトロチャージとあくのはどう。ニトロチャージは、素早さを上げて上からみがわりを貼ることで、みがわりの展開を維持し、回避の試行回数を稼ぐことができるようにするため。あくのはどうは、積んだ後のワンウェポンとして、無効化されない技を選んだ。特性のほのおのからだも含めて、上振れ要素を盛りに盛っている。前提として不利相性の相手にしか出さないため、ここまで割り切って問題ないと考える。他の技候補としては、定数ダメージを与えられるほのおのうず、安定火力のかえんほうしゃなどが挙げられる。
基本的な選出パターン
〇タイプ、数値などでこちらが相性有利な場合:基本の3体(タスキ・チョッキ・スカーフ)
〇こちらが相性不利な場合
・対水、霊: 基本の3体(タスキ・チョッキ・スカーフ)
・対岩、地: おんみつ+チョッキ+タスキorスカーフ
・対悪: おんみつ+タスキ+トリルエース
・対龍: おんみつ+タスキ+スカーフorトリルエース
・高特防、炎悪両方への耐性持ちなどが相手で、こちらが超不利な場合: スカーフorおんみつ+タスキ+ちいシャン 例: カイオーガ トドロクツキ
実績
たくさん勝ってたくさん負けた!楽しかった!
あとモヴさん主催の種族統一特殊ルール仲間大会「種族統一plain」にて優勝しました。もうあれもちょうど1年前のことですが、シャンデラと優勝できたことが何よりもうれしかったです。
余談
①採用しなかった技
シャンデラはトリル以外にも割と多彩な補助技を使える。しかし、採用に至ったのはトリル、呪い、トリック、めいそうに止まった。これについて言及したいと思う。
⑴ おにび
シャンデラといえば、とは言わないまでも、使ってきそうな印象は強いのではなかろうか。何せ、炎・霊複合である。しかし、シャンデラの場合は、やけどで火力を下げてる暇があるなら殴っといた方が早いことが多い。また、やけどはほとんどの構築で対策されているので、無効化される可能性があるのが辛い。
トリル、呪い、スカトリといった採用技はどれも能動的に用いる技で、ほぼ無効化されないのが鬼火を上回った理由として大きい。 中速でそこまで硬くなく、メジャーな弱点を複数持つシャンデラにとって、1ターンの行動機会損失はとても大きい。無効化のリスクはできる限り避けたいものだ。
⑵ ちょうはつ
こちらに関しては、シャンデラが覚えることを知っている人が少なそうだと思う。この技にはおにび以上に無意味に終わるリスクがある。そのぶん、ステルスロックを無効化できるという特大の利点もあるのだが、相手がステロしてくるならそれを起点に積めば良い(メタ要員⑴の型がまさにそれ)という結論に至ったので、採用技から外れた。ステロを許したくない場合は選択肢に入るだろう。
⑶ とける
防御2↑の積み技。めいそうと併せて要塞化できれば回避よりも確実性があるが、回避の速効性と爆発力のほうが欲しかったため採用しなかった。これについては同章②改善案の⑶項にて。
②改善案
メタ要員たちはピンポイントな型なのでだいぶ思い切った技選択をしたが、もっと勝率を高くするなら変えるべき点があると考える。
⑴ メタ要員⑴の起点作り破壊型のめいそう
ぶっちゃけ用途がなかった。火力ぶっぱの努力値振りで、耐久力も高くないなので、積むより殴った方が話が早い。素直に技範囲を広げた方が良かっただろう。ステロ持ちに対して弱点を突ける対象が多いことを考え、エナジーボールを入れればよかったと思う。
⑵ メタ要員⑵のトリルエース型の物理技
こちらは⑴ほど喫緊の問題ではないが、流石に物理型はロマンすぎるところがあった。シャドボやエナボ、だいもんじをいれるなどした方が安定するだろう。オバヒの後隙を埋めたり、ちいシャンにつないだり、といった目的で、のろいやおきみやげを入れるのも一考の余地がある。
蛇足だが、個体詳細でフーパをフレドラで撃破した動画について、あれはオーバーヒートでも同様のことが可能である。フーパほどのBD種族値差(B60-D130)があってようやくダメージ量が同じくらいになる、と考えると、残念ながら採用価値は落ちると言って良いだろう。もちろん、相手のD振りやチョッキによる対策を躱せている可能性もあるので、一概には決められないが。
⑶ 要塞型
当時考察・実践しきれなかった型として、とけるめいそう要塞型がある。アンコールやちょうはつが広く採用される時代において動きづらいと考え、特に試していなかったが、不利相性への対抗手段の一つとしては十分に有力であったはずだ。試す価値は大いにある。回復手段がいたみわけとねむるしかないこと、ちいシャンと合わせて積み耐久型がふたりになることが不安要素である。
おわりに
剣盾から種族統一を始めた者としては、ダイマックスからテラスタルへの変遷によって相性を覆しやすくなったこと、SVでニトロチャージとフレアドライブを習得したことが、自分のシャンデラ統一にとって、あまりにも追い風であった。あれもこれもと開拓するモチベーションが芽生えてきたのだ。また、ダイジェットが消えたのもニトロチャージ型の深掘りの一因となっていたと思う。2世代続けてシャンデラ統一でポケモン対戦を十二分に楽しむことができ、とても幸せであった。
過去の記事でも記したことがあるが、不利相性を自分のメタ型でひっくり返せたときが、私の種族統一対戦における楽しさの源泉となっていた。己と己の信じたポケモンの力で逆転することからしか得られない、一種のエクスタシーがあるのだと思う。いい遊び方に出会えてよかったとつくづく感じた。
現在私は私事のためポケモン実機から離れているが、いつか必ず復帰したいと思っているので、その際はまた種族統一で戦いましょう。
皆様、良き種族統一ライフを。